2010年を「田中世代」襲名元年に-。楽天田中将大投手(21)が6日、フジテレビ系「笑っていいとも!」のテレホンショッキングに生出演後、今季にかける思いを明かした。同期では巨人坂本勇人内野手(21)らが活躍し、今秋のドラフトでは早大・斎藤佑樹投手(21)ら多数が上位候補で豊作。高校時代から斎藤のトレードマークとなった「ハンカチ世代」と呼ばれたが、田中は「(同年代の)トップでいる」と宣言。マー君が人気、実力ともにプロ同世代の代名詞になる。

 生放送の緊張が解け、田中の言葉にマウンド同様の力強さが戻っていた。今秋になれば甲子園でしのぎを削った斎藤はじめ、同年代の仲間たちが続々とプロ入りする。ただ田中は「いつまで『ハンカチ世代』って言われるんでしょう。どうしたら変わるんでしょう?

 バンダナ世代?

 ちょっと違うよな」と代名詞への違和感があった。

 昨年3月のWBCでは日本代表で中継ぎなどで活躍し、世界一連覇に貢献。レギュラーシーズンでは15勝を挙げ、球団初のクライマックスシリーズ進出に貢献した。年俸も1億8000万円(推定)にアップし、日本ハム・ダルビッシュらに劣らぬ球界を代表する投手に成長した。自負をのぞかせつつも「(ハンカチ世代の代名詞は)まだまだ自分の頑張りが足りない、ということなんですかね」と謙虚に自己分析した。

 普段から「(同期を)意識することは全くない」という。「ハンカチ世代」がしっくりこないのは、高いステージにいるからこそだ。プロ入りしている同期にも、「坂本(巨人)に前田健(広島)。プロでも、同じ年の選手に負けてはいけないと思っています。トップでいたい」と誓った。

 プロ4年目を迎え、何をすべきかは経験則で知っている。このオフは蓄積疲労の回復に専念。「まだ始動というほどのことはしていないが、焦りはない」と前向きにとらえる。1年前の同時期は、WBC日本代表入りのため追い込んで練習。「何としてもメンバーに残らなきゃと必死でした。(今年は)慌てなくていい。肩、ひじの状態を見て、2月1日にブルペンに入れれば」と地に足をつけて滑り出す。

 精神的にも余裕が出てきた。「15勝という目標を達成し、相手の考え方も変わるはず。毎年進化し、より良い成績を残します」と締めくくった。1年後。「ハンカチ世代」たちは「田中世代」と肩書を変えプロの門をたたく。【宮下敬至】

 [2010年1月7日8時27分

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