西武中島裕之内野手(27)がEXILE流トレーニングでトリプル3(3割30本30盗塁)を目指す。8日、静岡県内の野球場で自主トレを公開。今季の重要課題に走力向上を掲げ、人気音楽グループのトレーナーを期間限定で招聘(しょうへい)した。プロ10年目の目標に「30盗塁してトリプル3を頭の片隅に入れる」と明言。長期的には「50歳までショートを守りたい」という壮大な夢も語った。

 節目の10年目は走れる強打者に変ぼうを遂げる。4年連続打率3割を達成した中島が、新たなハードルに挑む。「今年の課題は走ること。もっと速くなりたい。目指すはアメフト選手。動物で言えば馬、サラブレッドになる!」と、独自の言い回しで変身を誓った。「周りからトリプル3のことをよく言われるけど、少し頭に入れておこうと。狙わなくてもサラっとやってみたい」と目標を設定。過去最高の盗塁数は08年の25個だが、走力アップで背番号同様に成績も「3」の数字にこだわる考えだ。

 前日7日に富士山の見える野球場で始動した。5日間の日程で練習に招いたのは、EXILEにトレーニング指導を施す吉田輝幸氏。キレと力感ある音楽集団のダンスのごとく、体重90キロの中島の体も軽快に動いた。吉田氏は「お尻への意識を抜かずに走ることが大事」と指導。「いかに効率良く地面に力を伝えるかを重視しています。地面をたたく反発力が前に出るパワーを促進します」と、中島の走力にメスを入れた。

 過去に大学生のラグビー選手を40ヤード(約37メートル)で0・8秒タイムを縮めた実績も持つ同氏は「中島選手も正しい走り方を覚えれば確実に足は速くなる」と自信を持って語った。中島は「今まで使っていなかった部分を上手に操れるようにしたい。しっかり覚えれば故障の防止にもつながる」と意欲的に学んだ。短期目標が「トリプル3」なら、長期目標は壮大だ。

 中島

 実はね、50歳までやりたいねん。しかもバリバリのショートのレギュラーで。周りはゲラゲラ笑うかもしれんけど、ホンマに思う。工藤さんだって50歳までやりはるかもしれないし。だから今年10年目でも中堅とは言わん。まだまだルーキーの気持ちです。

 上へ上へ、まだ伸びる。貪欲(どんよく)に先を見据える中島の表情はすがすがしかった。【山内崇章】

 [2010年1月9日8時12分

 紙面から]ソーシャルブックマーク