<オープン戦:広島6-10阪神>◇21日◇マツダスタジアム

 最後に目覚めの1発や!

 阪神金本知憲外野手(41)がオープン戦ラストゲームの広島戦(マツダ)で、1号3ランをかっ飛ばした。広島の左腕大島から会心の120メートル弾。3番鳥谷が5、6号を連発、5番新井もアーチをかけ、結成2年目、AKTのクリーンアップによる初の本塁打競演も実現させた。1試合4発でシーズン211発ペースとし、バース、掛布、岡田で打ち勝った85年型打線の復活も見えてきた。

 大トリを飾るにふさわしい、豪快な1発だった。今年も7年連続での「開幕4番」が決定している金本が、後輩の鳥谷、新井に続き、完ぺきな1発をぶちかました。

 6回の第3打席。リードを2点に広げ、さらに1死一、三塁の好機で打席が回ってきた。マウンドには左腕大島。スライダー2球で簡単に2ストライクと追い込まれたが、慌てない。3球目のボール球の真っすぐを見逃すと、最後はカウント球として使われたスライダーを狙い打ち。高めに浮いた甘い球を見逃さず、右翼席中段に運び去った。

 「最後のオープン戦で4番が打ってくれたね。(本塁打が)1本出てシーズンに入ると(シーズンの)滑り出しもよくなるから」。真弓監督の表情にも、自然と笑みが広がる。今オープン戦出場6試合目。通算20打席目にして出た、待望の1発だ。打った本人は顔色を変えることなくダイヤモンドを1周したが、両手に残った久びさの感触は、最高だったに違いない。

 金本の1発で、今オープン戦のチーム本塁打は12球団断トツの22本となった。1試合平均1・47本。シーズン144試合に換算すると、211本。脅威の200発打線となる。広い甲子園を本拠地に持つとはいえ、今年阪神が甲子園で使用する公式球は、一般的に飛距離が出やすいことで評判のミズノ社製。投手陣が打ち込まれようと、1発で逆転する試合が増えるかも…。そんな強打線の中核を担うのは、やはり金本以外に考えられない。

 今年2月のキャンプ。アニキは、こう言っていた。「やっぱり勝たないと。勝って優勝して、おもしろい試合をファンに見せたい。躍動感のあるプレーをね」。昨季は移籍後最低打率の2割6分1厘。チームも4位に終わった。1月の契約更改以降、優勝の2文字を何度も口にする姿は、自らを鼓舞しているようでもあった。有言実行-。野球に取り組む姿勢、そしてプレーでチームをけん引する姿は、今年も変わらない。

 そんな姿を象徴するプレーが、5回の第3打席に見られた。先発篠田からライナーで右翼線へはじき返すと、全速力で一塁を蹴って二塁へ猛スライディング。二塁打とした。「ああいう走りを見せてくれると、状態もいいのかなと思わせてくれる」。和田打撃コーチを含めた首脳陣に、開幕への準備が整ったことをプレーで証明した。今年もアニキから目が離せそうにない。【石田泰隆】

 [2010年3月22日11時53分

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