<阪神4-7ヤクルト>◇10日◇甲子園
神様、仏様、マートン様…。虎のヒットメーカーが猛虎の歴史に名を刻んだ。マット・マートン外野手(28)が、今季19度目の3安打猛打賞。今季通算181安打とし、06年のアンディ・シーツを抜いて阪神の助っ人史上シーズン最多安打を樹立した。2位転落でも、ダイジョウブ!
マートンのバットが逆転Vの道しるべだ。
恩人に追いつき、一気に追い越した。9回1死走者なし。ヤクルト林昌勇のスライダーに食らいつく。軸を傾けながら引っ張った。走りだすマートンは、両腕を広げていた。今季19度目の猛打賞。そして、181安打とし、歴代の虎助っ人が残してきた年間安打球団記録を塗り替えた。
マートン
試合の中で結果を出すのは良いことだけど、負けていたら自分の成績は関係ない。
シーズンも終盤に差し掛かり、張りつめた緊張感の中にいる。そして、14日ぶりに首位から陥落した夜。個人記録に酔うことはない。ただ、一人の名前が出ると、一瞬心が緩んだ。マートンを日本に連れてきた、シーツ駐米スカウトの名だった。これまで、記録を持っていたのは、他でもなく恩人だった。
「(シーツの記録を抜き)神様に感謝したい。でも、これから先に出る1本、1本がチームに貢献できる1本でありたい」。
来日する際、アドバイスを送られていた。「自分自身でありなさい」。米国時代から、右方向への打撃を得意にしていた。日本向きの選手である、大きな要素だった。「それをやれば日本でも通用するから」。日本で180本安打を放った男に、ほれられた助っ人は忠実に言葉を守っている。この日放った2本のヒットも、得意の右打ちだった。
残り試合は21。球団記録の191安打も抜くことは確実視される。巨人ラミレスがヤクルト時代に作ったリーグ最多の204安打も十分に射程圏内だ。見えているのはその先だ。現時点でイチロー(マリナーズ)の日本記録210安打と同ペースで、安打を製造し続けている。
日本の球史に名を刻もうとしている。「(日本を)薦めてくれたことを感謝している」。恩人への気持ちを胸に抱き続けている。ただ、来日以来まだ連絡していない。夫人には、連絡するようにうながされるが、我慢している。シーズンも大詰め。最高の報告ができる準備を整える。
[2010年9月11日11時0分
紙面から]ソーシャルブックマーク



