エースナンバー復活へ、来季から封印が解かれる可能性が濃厚になった。日本ハムが、28日のドラフト会議で1位指名を狙う即戦力の大学生投手に背番号18を用意していることが20日、分かった。昨季まで在籍した巨人藤井が背負っていたが、今季は1年間、空き番号となっていた。04年の球団移転以来、憂き目を見ている由緒ある背番号の復権を託すことになる、金の卵獲得を目指す。

 チームの命運を懸けて臨む、運命のドラフトまで残り1週間。宙に浮いていた18の行き場所が、決まりそうだ。早大の斎藤佑樹と大石達也、中大の沢村拓一ら、豊作といわれる大学生投手の中から競合覚悟でも1位入札予定。ふさわしい人材がいた場合、そのまま18を預ける可能性が高くなった。かねて球団関係者は「もちろん渡してもいい資質があれば、そうなるでしょう」と話しており、用意できている。

 やや輝きを失っているだけに、期待は大きい。本拠地を北海道へ移転以来の04年から岩本勉氏が2年間着用。その後は2年間のブランクを経て、ヤクルト時代も同じで愛着があったことから、藤井が同じく2シーズン任された。ただ2年間で岩本氏が計3勝、藤井が10勝。過去には球団側からダルビッシュに変更を打診したが固辞した経緯もあり、やや権威を失墜している番号だ。

 21日には2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷でスカウト会議を開催。大渕スカウトディレクターが早大側が求めている面談に臨み、会議には梨田監督も参加して逸材を吟味する。明るい話題が少ない今オフ。ようやく迷走していた背番号18の行方が決まりそうなのは明るいニュースになる。日本ハムの将来を担い、ダルビッシュに続くような待望のスター候補が、誰になるのか注目だ。【高山通史】

 [2010年10月21日12時8分

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