静かな球場に快音が鳴り響いた。巨人高橋由伸外野手(35)が10日、異例のフリー打撃を行った。沖縄・恩納村での自主トレは07年から5年連続となるが、初日からは初めて。背番号と同じ24スイングと軽めながら、振りは鋭かった。「せっかく来たので。やりましたという程度です」と控えめに話したが、表情は晴れやかだった。

 今年に懸ける思いがバットを振る本能を突き動かした。昨季は一塁との併用ながら116試合に出場。昨年以上の結果が求められるシーズンでも、あえて数字の目標は立てなかった。「レギュラーだったら言えるけど、今はそういう立場じゃない。1試合、1打席でも多く打席に立つことが目標。(試合に)出て初めて結果が出てくる」と、レギュラー争いは横一線の状況だと自覚しているからこそだった。

 それでも、初日の手応えに自然と笑みもこぼれた。09年の9月には腰を手術。この日、沖縄・恩納村は気温13度前後の寒さだった。まだ持病の怖さが残る中でフルメニューをこなした。「動きすぎたかな。もう少し抑えてもよかったかなと。でも動けるに越したことはない。去年と今年とでは全然違う」と、ロングティー止まりだった昨年とは格段の差だった。

 今季は4年契約の最終年。「1年1年(勝負)になってくる。やれる限りやります」と力強く話した。日本一奪回へ、生え抜き最年長野手が絶好のスタートを切った。【斎藤庸裕】

 [2011年1月11日9時2分

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