<フェニックスリーグ:日本ハム6-3中日>◇11日◇アイビー
CS開幕へスタンバイOKだ!
クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第1戦(17日、札幌ドーム)で先発することが決まった日本ハム吉川光夫投手(24)が11日、フェニックスリーグ中日戦(アイビー)で圧巻の投球を披露した。5回1安打1失点ながら、3者連続を含む毎回の9奪三振で万全の状態をアピールした。リーグトップの防御率で、プロ6年目にして初タイトルを手にした急成長の左腕。短期決戦でも主役の座は譲らない。
うなるような速球は、最速150キロを計測した。チームトップの14勝を挙げ、3季ぶりリーグ制覇の立役者となった吉川が、南国・宮崎で目を見張る投球を披露した。フェニックスリーグ中日戦。2軍メンバーが相手とはいえ、容赦ない“キレキレ”の直球が仕上がりの良さを物語っていた。
成長の跡が随所に見える69球だった。9月28日西武戦(札幌ドーム)で、今季3度目の完封勝利を挙げてから約2週間ぶりの登板だったが、感覚のズレなど感じさせない。むしろ「間が空いて、体が軽くなった分、真っすぐがいってくれた」と絶好調。苦手とする柔らかい黒土マウンドに苦戦したのは立ち上がりだけで、予定の5回を投げ終わるころにはすっかり対応していた。
1回、先頭打者に与えた四球と暴投をきっかけに1点を失ったが、2回以降はほぼ完璧だった。4回には中軸を3者連続の空振り三振で切るなど、終わってみれば打者18人から毎回の9奪三振。外野へ飛んだ打球はわずか1つというワンマンショーで、CSへ向けた調整登板を完了させた。それでも「初回から(2回以降の投球が)出来ないと意味がない。先制点を与えて、チームに迷惑をかけてしまった」と究極を求めるあたりが、実に頼もしい。栗山監督も「間が空いているから大丈夫かなと思ったけど、ひと安心」と目を細めた。
球界のエースだったダルビッシュ(レンジャーズ)の穴を埋めるように、急成長を遂げた今季。「エース」と呼ばれることを嫌いながらも、自覚は芽生えつつある。CSファイナルステージ第1戦の先発がこの日までに決まり、最後の第6戦までもつれた場合は中4日で再び先発マウンドに上がる可能性が高い。ポストシーズンの登板は、ルーキー時代の07年日本シリーズで経験済みだが「あの時とは立場が違うから」と責任の大きさに気を引き締める日々。「ただ、ただ、緊張した」という5年前と今とでは、積み上げた白星の分だけ自信も違う。
負けたら終わりの短期決戦を前に「今度は緊張しない?
そればっかりは、マウンドに上がってみないと分からないです」と不敵に笑う24歳は「気持ちを切らずに、しっかり戦える準備をしたい」と冷静に勝負の時を待つ。“新エース”としての真価が問われる戦いへ向け、準備は整った。【中島宙恵】



