<パCSファイナルステージ:日本ハム3-2ソフトバンク>◇第1戦◇17日◇札幌ドーム

 日本ハム吉川光夫投手(24)が防御率トップの貫禄を示す粘りの投球で、クライマックスシリーズ(CS)初勝利を手にした。序盤から走者を許しながら、3併殺でピンチを切り抜けるなど、7回7安打2失点。ファイナルステージ初戦の先発として役目を果たし、チームに大きな1勝をもたらした。

 血のにじむような102球が、実った。吉川が言う。「先制点を取られてしまったので悔しさはあるけど、チームが勝ってくれたので」。7回7安打2失点。仲間への感謝の思いにあふれた、ポストシーズン初勝利となった。

 6回まで二塁を踏ませず、味方の援護をひたすら待った。試合が動いたのは7回。2安打を許して無死一、二塁と、初めてピンチを迎えた。4番ペーニャを三ゴロ、5番小久保は12球に及ぶ勝負の末に空振り三振。2死まで、こぎつけながら、多村に146キロの直球を中前に落とされ、先に2点を失ってしまった。「狙い通りの球だったけど…。力がなかった分、あそこまで飛ばされたのかな」。悔しそうに顔をゆがめたが、恐れず内角を執拗(しつよう)に攻めることが出来たのは成長の証し。逆転勝利につながる投球で、大きな1勝をチームにもたらした。

 先発の柱としての自覚が、リーグ優勝の時の態度に表れていた。シーズン中は酒を断っているため、ビールかけでも、祝勝会でも、飲酒は封印。栗山監督の胴上げは、腕や肘などの故障を恐れて、周囲での“バンザイ係”に終始した。中4日で、もつれた場合の第6戦に先発する可能性が高い。「監督に言われたところで行く準備はしている」。短期決戦の重要ポイントを任された左腕。思い切り酒を飲み、胴上げに参加するのは、日本一の瞬間まで取っておく。【中島宙恵】