阪神中村勝広GM(63)は8日、獲得を目指している福留孝介外野手(35)に対し、条件見直しの用意があることを明言した。福留側からは「まだ何も連絡がないな」と前置きした上で、再交渉を要求された場合を問われてこう話した。

 「応じる用意はありますよ。認識としては(前回の交渉が)最終オファーだと思ってますけど、大枠は最大限、これ以上はないけどな。細部にわたって、インセンティブなりをね」

 中村GMは年俸、契約年数ではなく、出来高など細かい条件の見直しを準備する姿勢を示した。念には念を押す背景には、DeNAの動きへの警戒がある。

 福留とは28日に初めて直接交渉を行った。29日にDeNAが交渉を行った時点で、条件面では阪神が上回っており、福留も国内ならば、阪神を選ぶ可能性が高くなっている。

 ただここにきて球団はDeNAが条件の見直すという情報をキャッチした。仮に年俸などの条件面で上を行かれれば、立場が逆転してしまう恐れもある。「マネーゲームはしない」と中村GMが明言している以上、年数や年俸本体の根本的な見直しではなく、付帯条件などでより誠意を示す可能性が出てきた。

 福留は日本時間7日に終了した米大リーグのウインターミーティングでの成果を待ちつつ、決断に備えている。この日までにメジャーからのオファーは届いていない模様だが、にわかに国内の動きがあわただしくなってきた。