藤浪、デビューは開幕2戦目!

 阪神は23日、西宮市内の鳴尾浜でコーチ会議を開き、ドラフト1位藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)のキャンプ1軍スタートを正式発表した。中西投手コーチは開幕ローテから逆算して調整させるプランを披露。最速で開幕2戦目、3月30日ヤクルト戦(神宮)でデビューする可能性が浮上した。開幕2戦目なら、ドラフト制後の高卒選手で最速となる。

 黄金ルーキーの1軍キャンプスタートは、運命の日から決まっていた。昨年10月25日のドラフト会議。4球団競合で和田監督がくじを引き当てた瞬間、中西コーチは藤浪の1軍キャンプスタートを決めた。高卒新人の1軍スタート自体が異例だが、異例の開幕ローテプランまで描いていた。

 中西コーチ

 大きく言えばそう。キャンプの段階では、初登板から逆算して調整していく。打撃投手はあるかもな。終盤の方でね。

 中西コーチは2軍スタートの投手も含め、先発投手を競争させる方針を示しているが、藤浪は例外のVIP待遇。実戦デビューも3月以降になると明かした。2月10日に練習試合、同23日にオープン戦で日本ハムと対戦する予定で、同じドラフト1位大谷との対決に期待が高まっていたが、調整を優先する方針だ。

 中西コーチ

 藤浪は別格。入れ替えどうこうじゃない。(実戦は)ありません、沖縄ではない。こっちのプランでスケジュール通りに運ばないと。

 主力投手と同様、じっくり調整させる。開幕ローテ入りを想定し、3月上旬から数試合の実戦登板を経て、プロ初登板へ向かうことになりそうだ。和田監督がすでに3月29日ヤクルト戦(神宮)の開幕投手に能見を指名。藤浪のプロ初登板は、最速で開幕2戦目、3月30日同カードとなる。開幕2戦目のデビューとなれば、ドラフト制度以降の高卒投手で最速となる。

 藤浪はこの日、新人合同自主トレで7度目のブルペン投球を行った。立ち投げで最多タイの38球を投げ終えた後、1軍スタートの知らせを聞いた。

 藤浪

 しっかり頑張らないと、と思った。上のキャンプに選んでいただいたので、しっかり自分の持っているものを出していきたい。

 プロの調整法を学びながら、ペースアップしていくつもり。ブルペンで多くの球数を投げるタイプではなく、大阪桐蔭時代は多くても60球超だったという。沖縄での1カ月は実戦デビューを見据えてじっくり土台をつくる期間となる。

 藤浪

 高校とペース配分が全然違うと思うので、何も考えていない。今やるべきことを毎日やっていくだけだと思う。

 開幕ローテ入りへ。南国で藤浪の挑戦が始まる。【岡本亜貴子】

 ◆高卒新人投手の先発デビュー

 ドラフト制後、4月末までに先発したのは66年巨人堀内(開幕6戦目)東映森安(4戦目)ヤクルト酒井(14戦目)79年日本ハム工藤(4戦目)で2戦目なら史上最速。阪神では67年に江夏が4戦目で初登板(2番手)し、6戦目で初先発デビューした。