ソフトバンク五十嵐亮太投手(33=前ヤンキース)が28日、福岡市の西戸崎合宿所で初練習を行い、高速シンカーを初披露した。湯上谷寮長を相手にキャッチボールするうち、どんどん力が入った。シュート回転したボールが、スッと右方向に沈んだ。「練習中の球です」。手首を外側に向けて投げる新球だった。

 ロサンゼルスの自主トレでヤンキース黒田に教わったツーシームを発展させたボールだ。「日本の球は低反発と聞いているので、(バットの)芯からズラしてゴロを打たせたい」と狙いを説明した。今はまだ横に食い込む感じだが「落ちた方が絶対いい」と、これから手首の角度などを調整して斜めに沈む球に進化させていくという。

 日本時代は直球とフォークで真っ向勝負。米国でカーブやスライダーなど外への変化球を覚えた。さらに高速シンカーが加われば大きな武器になる。ピンチで右打者の内角に落とせば、ゴロを打たせるウイニングショットになる。チームでは守護神候補に挙げられており「そこ(抑え)を目指してやるつもり。意地でもやるぞという気持ち」と語気を強めた。

 31日にキャンプ地の宮崎に入る。「やらなきゃいけないことがたくさんある」と、極力出歩かず野球に集中する。メジャーだけでなくマイナー、ドミニカ共和国のウインターリーグを渡り歩いた五十嵐が、4年ぶりの日本で新しい投球スタイルを見せる。【石橋隆雄】