歴史を塗り替えろ!

 広島打線が今週、球団記録更新に挑む。現在6試合連続2桁安打中。72年、04年の8試合連続を更新する可能性が出てきた。また菊池涼介内野手(24)は今日19日DeNA戦(横浜)で、両リーグ3人目となる1シーズン2度目の20試合以上連続安打に挑戦する。

 カープ打線は今、点ではなく線でつながっている。気がつけば2ケタ安打を6試合継続。球団記録となる8試合連続2ケタ安打の更新も視野に入ってきた。だからと言って、誰1人浮かれないのが14年の若鯉軍団だ。若きリーダー丸佳浩外野手(25)は休日返上でマツダスタジアムを訪れ、勝利するための策を冷静に説いた。

 丸

 ヒットの数じゃないんで。昨日みたいに打線がつながればいいと思う。ここ一番というか、点が欲しいところで打てる方がいい。やっぱり確率を考えると、つないで点を取っていくのがベストだと思う。

 前日17日巨人戦の逆転劇が理想型だ。2点を追う8回裏2死から死球を挟んで4連打。3者連続適時打で一気に逆転を決め、王者との3連戦を2勝1敗と勝ち越した。打率3割5厘、7本塁打のドラフト3位田中広輔内野手(25)、打率3割2分4厘、7本塁打の会沢翼捕手(26)が下位に座ることで、相手バッテリーに気を抜く暇を与えない打線が整った。104試合で122本塁打はリーグ断トツだが、あくまで打者9人が線となって得点を重ねるスタイルを目指す。

 丸

 広輔(田中)、アツさん(会沢)がしっかり打つことで、下位で流れが途切れない。チャンスに直面した人がしっかり結果を残すことが大事になる。

 チームは昨季7月5日からの阪神3連戦以来、同一カード3連敗がない。「今年は3連戦の頭を落としてもズルズル3連敗しなくなった。我慢できるようになった」。丸はチームの成長を肌で感じている。昨季終盤に快進撃を見せてCS初進出した経験は、今季終盤に必ず生きてくる。

 丸

 (優勝争いの重圧は)まだない。多分ですけど、あまり関係ないと思う。去年もCS初進出という大事なことがかかる中で、あまりバタバタしなかった。普通にできれば一番です。

 現在19試合連続安打中の菊池は今日19日DeNA戦で、両リーグ3人目となる1シーズン2度目の20試合連続安打以上に挑戦する。ただ、ナインは皆、個人記録や数字に踊らされることはない。目指すは23年ぶりのV奪回のみ。快記録や数字を振り返るのは、優勝の美酒を味わってからでいい。【佐井陽介】

 ▼同一年に20試合以上連続安打を複数回記録したのは、過去2人。菊池が今季2度目を達成すれば、94年にイチロー(オリックス)が23試合連続を2度記録して以来、プロ野球20年ぶり。セ・リーグに限れば、50年に平井正明(西日本)が20試合連続と21試合連続を各1度マークして以来、64年ぶりとなる。