中日大野雄大投手(26)が侍ジャパン入りへアピールに成功した。沖縄・北谷キャンプで3日、代表の鹿取テクニカルディレクター(TD)が視察したブルペンで投球。同TDはその投げっぷりを称賛した上で、代表入りの可能性にも言及した。2年連続2ケタ勝利の左腕にとって日の丸ユニホームは長年のあこがれ。1つ大きなモチベーションができた。

 8人並んだブルペンでも背番号22は輝きを放っていた。初日に続く2度目のブルペンで71球。後ろで見守った森ヘッドコーチが「ほれぼれするなあ」と言うほど左腕がうなっていた。

 「今日はよかったです。強い球を投げられた。格段に変わったわけではないけど(森ヘッドに)そう見てもらえてうれしいです」と満足げに汗をぬぐった。

 2年連続で10勝を挙げ、開幕投手の有力候補にも挙がるなど中日のエース格に成長した。その存在はチームを超え、代表が視野に入るレベルに入ってきた。

 視察した鹿取TDが「バランスがよく、非常にいい投げ方。投げている姿を見るともっと勝ってもいい投手ですよね。試合では粘り強い投球ができて、ウイニングショットがいいところにいく。順調ですね」とブルペン投球を称賛した。

 昨年も代表入りが検討されていたが、実現しなかった。侍ジャパンは17年WBCを見据えたチーム編成に入っている。構成上、若い先発左腕は必須だという。「あの世代の左の先発投手があまりいない。上は内海らがいて、下もいるけどまだ結果が出ていない投手ばかり。判断は1年の結果を見てから。結果が出れば十分可能性はある。小久保監督も考えていると思う」と代表入りを期待した。

 「選んでいただけるようにシーズンで頑張ります。日の丸は小さいときからずっと夢だったのでプロで選ばれたら光栄です。まずはチームの優勝です。恥じない成績を残したい」。早くもエンジン全開の大野に最高の燃料が注ぎ込まれた。【柏原誠】