阪神はドラフト5位で指名した近大・藤川俊介外野手(4年=広陵)に対し、背番号「7」の提示を検討していることが3日、分かった。4位以下の場合は社会人の東邦ガスに進むことが内定していたため、交渉は難航する可能性がある。真弓明信監督(56)や今季限りで退団する今岡誠内野手(35)が背負った栄光の番号を提示することで、最大限の誠意を伝える姿勢だ。

 栄光の数字はこれ以上ない誠意の証しだ。阪神が近大・藤川に背番号「7」を提示する可能性が浮上した。かつては真弓監督、今季までは退団が決定した今岡が背負った。虎党にとっては、スタープレーヤーの代名詞とも言える思い入れのある番号だ。球団関係者は「それだけ高く評価しているということ」と話す。ドラフト5位指名では破格の条件で入団交渉を進める決意だ。

 10月29日のドラフト会議から近大側との交渉は進展していない。4位以下で指名された場合は、社会人の東邦ガスに内定していた。そこへ阪神が5位で交渉権を得た。同30日の指名あいさつは藤川本人が困惑していることもあって、欠席した。東邦ガスとの約束をほごにするわけにはいかず、交渉は長期化する恐れもある。沼沢球団本部長は「まだこちらがあいさつに言ったばかりで、進展はない。(近大が)少し時間がほしいということなので…。できることはやるつもりです」と話した。

 走攻守3拍子そろった選手は今の阪神には必要だ。それが藤川に当てはまり、下位指名ではあるが、上位に匹敵する評価を与えている。ただ言葉だけで、思いは簡単には伝わらない。現在は担当スカウトが近大に日参し、熱意を示している。東邦ガスにも事情説明に出向く準備はある。最大限の誠意をアピールしており、背番号「7」は象徴的な数字だ。