AKB48グループ総監督の高橋みなみ(23)が、グループから卒業することを発表した。8日、東京・秋葉原のAKB48劇場で行われたAKB48の9周年コンサートで宣言した。1年後、来年の12月8日、10周年を迎えるとともに卒業する。

 ライブ最後の24曲目、「桜の花びらたち」を歌う前に、100人以上の出演者全員が集まったステージの中央に立った。「ここで、わたくし高橋みなみから1つ、発表があります」と切り出した。「わたくし、高橋みなみは、2015年12月8日をめどに、AKB48を卒業します」と発表した。劇場には「エエ~ッ」という声がこだました。その後、経緯や理由を語った。全文は以下の通り。

 「まだ1年先の話ですが、私はAKB48の総監督です。メンバーに引き継ぐ時間、有余をいただくために、このタイミングでの発表をさせていただきました。私は、AKB48に入って本当によかったと思います。同期もたった3人になりました。気づけば周りの景色を変わっていました。どうしてここにいるんだろう、という気持ちがなかったと言ったらうそになります。それでも、ここにいてよかったと思えるのは、スタッフの方々やすばらしいメンバーのみんな、そして、何より、ファンのみなさんに出会えたことが、私の人生の一番の宝ものです。私がAKB48に恩返しできることは少しかもしれませんが、なにか未来を担う子たちに何か残してあげたい。それが私にできるひとつの恩返しの形だと思っています」

 涙を流し、手でぬぐう。そして、次期総監督に、現チームKキャプテンの横山由依(22)を指名した。

 「私がいなくなってからも、AKB48グループを引っ張っていく次期総監督として、横山由依を指名させていただきます。正直、総監督はきついです。しんどいです。近くにいるメンバーも感じていると思います。だからこそ、仲のいい横山由依に総監督の名前を渡すのはいやでした。総監督はきついと知りながら。私で終わらせたいとも思っていました。でも、AKB48は女の子たちの大人数のグループです。話を聞かないで全然集中できなかったら、いくぞ、やるよ、と声を掛ける人がこのグループには必要だと思いました。横山、来れるかな…?」

 (ステージ左端にいた横山を中央に呼び込む)

 「彼女は私にとってすばらしい後輩です。本当にまじめで、不器用で、すごく一生懸命頑張ってくれました。夢も私と一緒で、(歌手としての)ソロデビューでした。総監督に指名することが、彼女を夢から遠ざけることかもしれない。総監督は、苦しいです。でも、世間の方に見てもらえるチャンスも増えると思います。横山にとってのチャンスと思って、頑張ってほしいなと思っています」

 横山の胸をたたいて、「何か言ってよ~」と笑う。横山は涙で、何度もうなずいた。

 「頑張ってほしい。そのために1年間、必ずバトンをつなげたいと思います。彼女に残せること、そして後輩に残せることは、まだまだたくさんあります。正直、1年で教えてあげられるか分からないくらいあります。それでも、この残された時間を一生懸命、頑張って、いきたいなと思います。まだまだ、ちゃんとした卒業の日付や詳細は決まっていません。今後、なんらかの形でみなさんにお知らせできればと思っています。1つ言えるのは、これは悲しいことではないということです。AKB48は来年10周年。大切な年です。私もこのグループに10年いられたということがとてもうれしいですし、10年で終わるようなグループではないと思っています。11年目につなげてほしい。大丈夫だと思っています。なので、私なりに、一生懸命、横山由依とこの残されたメンバーたちに、バトンをつなげたいと思っておりますので、これからもどうぞAKB48グループの応援を、よろしくお願いします」

 深々とお辞儀すると、ファン250人から拍手を浴びた。