<第5回AKB48選抜総選挙>◇8日◇日産スタジアム

 初期からグループを支え、2年連続5位のAKB48篠田麻里子(27)が、来月20、21日の地元福岡・ヤフオクドーム公演を最後に卒業することを発表した。昨年、多くの後輩に影響を与えた「つぶすつもりで来い」発言から1年。「次世代エース」と呼ばれ12位に躍進した島崎遥香(19)ら、若手メンバーの努力や活躍を肌で感じ決断したことなどを、涙で語った。

 ステージ中央に立った篠田の様子がおかしい。「ブレない」が心情の気丈な27歳が、優しい笑みを浮かべながら、目に涙をいっぱいに浮かべていた。「後輩の姿を見てたら、私は1つの決断をしようと思いました」。異様な雰囲気を察したファンからの「やめないで~」「やだぁ~」という声を振り切って、宣言した。「私、篠田麻里子は、AKB48を卒業します」。まさかの発言に、7万人が絶叫した。

 昨年6月6日、前回の総選挙開票イベントで、後輩に強烈なゲキを送った。「席を譲らないと上に上がれないメンバーはAKB48では勝てないと思います。つぶすつもりで来てください」というグループ史に残る名言は、後輩メンバーを大いに刺激した。また、昨年11月からは、高橋みなみに代わってチームAのキャプテンに就任。後輩を食事に連れていったり、同12月の公演後にはメンバー全員に化粧品などのクリスマスプレゼントを渡したりと、人一倍面倒見のいい先輩だった。

 この日は、島崎や、同じチームAの川栄李奈、入山杏奈らが上位進出を果たした。昨年「つぶすつもり」発言にいち早く反応したNMB48山本彩は初の総選挙選抜入り、SKE48松井珠理奈は初めて7位以内の「神7(セブン)」入りを果たした。若手の台頭を受けて、篠田は「たくさんの後輩たちが期待に応えようと頑張ってる姿が感じ取れる1年でした。勢いのある後輩たちが1歩を踏みだそうとしているので、私も1歩を踏み出します」と決意表明した。

 「マリコ」コールに包まれるスタジアムの中で、同期の高橋から「さびしい~」と惜しまれながらの、新たな巣立ち。2年連続で5位になり、AKB48を支える高い壁であり続けたマリコ様は「48グループはまだまだ上に行けるんだなと実感しました。悔いはありません」と断言し、ブレずに歩き続ける。【横山慧】