◆ソロモンの偽証<後篇・裁判>(日)

 「前篇・事件」は見ましたか? 見てへん? 私は原作を読んで、前篇も見てるけど…大丈夫。筋は分かるようになってます。そもそも宮部みゆきの原作は分厚い文庫本で3巻もある。しかも複数の濃厚なエピソードを精緻に紡ぐ手法やから、映画化にはどうしたって無理がある。そう思たら、むしろ後篇だけでええかも。結論が出る分、前篇より確実におもろいし。

 校舎脇で1人の中学生の転落死体が見つかり、学校、マスコミ、生徒を巻き込んだ騒動に発展。後篇は自殺か他殺かを含め、生徒たちが“事件の本質”を求める模擬裁判を描く。

 いじめっ子(を超えてるワル)で被告の大出(清水尋也)を、弁護人の神林(板垣瑞生)が徹底的に追い込むシーンは、迫力があった。矢継ぎ早の“言葉責め”のエグさ。成島出監督や作り手も、ここに全てを落とし込むつもりやったんちゃうかな。原作に負けんパワーを、クライマックスで見せてくれた。

 とはいえ、映画もせめて3部作やったら、とは思う。無機的なまでに事象を積み重ねる原作の手法が、尺の関係で情緒的にならざるを得んかったんやとしたら…。悩ましい話や。【加藤裕一】

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