ミュージカル座の創立20周年記念公演「Nicky ニッキー」(東京・練馬のIMAホール、8月18日から)の舞台稽古が29日、さいたま市の同劇場稽古場で行われた。

 気弱で臆病な10歳の女の子ニッキーが、強気で自分勝手なテレビプロデューサーの40代男性と入れ替わる混乱ぶりを描いたコメディー。13年から毎年行っている人気ミュージカルだ。

 トリプルキャストで主演する小松穂葉(おとは、12)は、幼稚園の時に「人を喜ばせたい。笑顔を見たい」と女優を志した。「学校に行ったり、友人と遊んだりと普通の子どもらしいことをしてほしい」という両親は当初は反対。だが、小学校に行くようになっても気持ちが変わらなかったことから、「これだけ真剣にやりたがっているならば」と演技の道を許したという。

 小松は昨年に続いて主役を演じる。「稽古場に入ったら、すぐにがに股になったりして、“おっさんっぽい”と言われます」と、すっかり役に入り込んでいる。将来の夢はもちろん女優。「かつては上野樹里さんみたいになりたかったけど、今は自分らしい演技のできる俳優になりたいと思っています」と話した。

 ミュージカル座は、戦争の悲劇を描いたオペラ「ひめゆり」のロングラン公演で知られ、最近はジュニアミュージカルにも力を入れている。