広島出身の吉川晃司(53)は「最高ですよ、最高」と喜んだ。「目の覚めるような、鳥肌が立つような逆転劇がどれだけあったか」と今季を振り返った。優勝要因を「選手層が厚い。そしてあきらめないこと。大差をつけられても、あきらめない彼らの姿勢に勇気、力をもらった。オレも負けるもんかと思う」としみじみと言った。

長い低迷期を抜けて、常勝チームになった。「オレは勝ち続けたことはないから分からないけど」と前置きして「広島はちゃんと若い選手を取って育成しているから、誰かケガしても、ちゃんと穴埋めできる人がいる。そこが素晴らしいのでは」とその背景を推測する。

昨年はクライマックスシリーズ(CS)で敗退した。「オレはカレーを作りながら、CSを見ていたんですよ。負けた瞬間、ぼうぜんとして、カレーが燃えちゃいました…。リーグ優勝したのに、日本シリーズに出られないなんて。やっぱり、CSの有無は再考すべきだと思いますよ」。

今年のCSと日本シリーズについては「ペナントレースで優勝してくれただけで、十分うれしいですよ。CSや日本シリーズでも、普段通りの野球を見せてほしいですね。そうすれば、日本一は勝手についてくるんじゃないかな」。選手にプレッシャーがかからないように、控えめにエールを送った。

◆吉川晃司(きっかわ・こうじ)1965年(昭40)8月18日、広島県生まれ。修道高時代に水球で世界ジュニア選手権大会代表。84年2月に俳優、歌手としてデビュー。16年、広島が日本ハムと戦った日本シリーズ第1戦(マツダ)で君が代を独唱した。