故中村勘三郎さんの姉で女優の波乃久里子(67)が25日、京都市内で弟勘三郎への感謝を口にした。

 この日は、映画監督の山田洋次氏(81)と、劇団新派の先輩女優水谷八重子(74)とともに、京都南座の7月新派公演「東京物語」(7月13~21日)の発表会見に出席。その席上で、山田監督と新派のコラボレーションは、勘三郎さんがきっかけだったことを明かした。

 波乃によれば、山田監督は07年に、勘三郎さんの公演「文七元結」を手掛け、その縁で、映画と歌舞伎の融合「シネマ歌舞伎」などでも、勘三郎さんと仕事をしていた。当時、波乃が勘三郎さんに「監督に新派の演出もしてって言って」と言うと、勘三郎さんは「お姉ちゃまの舞台なんだから、自分で言いなよ」と言いながらも、話をつなごうとした。折しも、新派のプロデューサーが山田監督に依頼し、10年に山田監督の演出による劇団新派公演「麥秋」が上演された。

 波乃は「弟の…おかげでいい出会いができた」と、少し声を詰まらせ、勘三郎さんに感謝した。今作「東京物語」は、その山田監督と新派コラボの第2弾。53年公開の小津安二郎監督の映画を、山田監督が舞台化したもので、山田監督は「50年以上前から、老人の1人暮らしなど、今日本にある問題を提示していた作品。共感を抱えながら見ていただければ」と語った。