<第23回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞>
第23回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原裕次郎記念館協賛)が1日、決定した。授賞式は28日に東京・紀尾井町のホテルニューオータニで行われる。
「THE
LAST
MESSAGE
海猿」が、石原裕次郎賞に輝いた。04年の第1作「海猿」から過酷な水中ロケにこだわり、リアルな人間の表情を描き続けた。その集大成となる今作が海と空がある雄大さと、とことん楽しめる作風を評価された。主演の俳優伊藤英明(35)と羽住英一郎監督(43)は「アナログ感が認められた」と声をそろえて喜んだ。
伊藤は受賞の一報を仕事場で聞いた。東京・赤坂ACTシアターで公演中の舞台「ジャンヌ・ダルク」のけいこの合間だった。「ものすごく大切な作品で賞をいただけて本当にうれしい。役者としてこういう作品、役に巡り合うことは少ない」と言い、満面に笑みを浮かべた。羽住監督は「裕次郎さんの名前がついた賞はすごいし(受賞は)まったく想像もしなかった」と驚いた。
04年6月公開の第1作「海猿」から「アナログ感」にこだわった。邦画史上初めて海上保安庁の全面協力を受け、CGの使用をできる限り避け、水中ロケを続けた。海という壮大な舞台の中で、歯を食いしばるリアルな表情を描きたい監督の思いがあったからだ。今回は北九州での海洋ロケで大型巡視艇を6隻も投入し、5つのスタジオに7つのセットを建てた。床面を24・3度に傾け、しがみつかないと立っていられないセットもあった。
機動救難隊員を演じる俳優はシリーズを通し、広島県呉市の海上保安大で訓練を受け、筋トレをして体をつくり撮影に臨んだ。「体を鍛えて気を引き締めないと水に負ける」(伊藤)からだ。劇中で天然ガスプラント「レガリア」内に海水が浸水する場面も、何十本ものドラム缶から一斉に注がれた水を浴びながら演技した。伊藤は「3、4日間で合計100回以上、朝から晩まで水を浴びた。演技を超えてるんですよ」と過酷なロケを振り返った。
「海猿」を演じて7年。伊藤が演じる主人公仙崎大輔も1児の父になった。興収は80億円に迫り、手にした裕次郎賞。伊藤は「裕次郎さんは好き。スター独特の豪快さがある。映画はエンターテインメントだから、時代のスターがいないと引っ張れない。裕次郎さんには憧れます。ぜひ会ってみたかった」と喜びをかみしめた。【村上幸将】
[2010年12月2日8時51分
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