日本テレビ系連続ドラマ「家政婦のミタ」の脚本を手掛けた遊川和彦氏(56)が、NHK連続テレビ小説の脚本に初挑戦することが9日、分かった。今年10月放送スタートの作品で、タイトルは未定。関係者によると、オリジナル脚本で、夫婦の絆を描くことになるという。

 連続テレビ小説は「朝ドラ」の愛称で親しまれる国民的ドラマ枠。これまで、山田太一氏(77)や橋田寿賀子さん(86)内館牧子さん(63)大石静さん(60)ら日本を代表する脚本家が数多くの名作を世に送り出してきた。原作のある作品もあるが、オリジナル脚本の秀作も多い。同局は「家政婦のミタ」に代表されるようにオリジナルにこだわって創作を続けてきた遊川氏に大きな期待を寄せている。ヒロインはオーディションで選ばれる予定。

 遊川氏が手掛けた「家政婦のミタ」は幅広い視聴者層に支持された。ミステリアスな家政婦が、担当した家庭の問題を解決していく姿を描いた。昨年10月から放送され、回を追うごとに視聴率が上昇。12月21日の最終回は、ドラマ歴代視聴率3位となる40・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という驚異的な数字が大きな話題となった。主人公の決めゼリフ「承知しました」は、小中学生の間でも流行した。主演の松嶋菜々子(38)の演技に加え、遊川氏が手掛けた脚本も高く評価された。朝ドラで展開する遊川ワールドも大きく注目されそうだ。

 ◆遊川和彦(ゆかわ・かずひこ)1955年(昭30)10月24日、東京都生まれ。広島大卒業後、テレビ番組の制作ディレクターを経て87年TBS系「オヨビでない奴!」で脚本家デビュー。「ADブギ」「人生は上々だ」「GTO」「魔女の条件」「オヤジぃ。」「さとうきび畑の唄」「夫婦。」「女王の教室」などを手掛ける。「さとうきび畑の唄」は文化庁芸術祭テレビ部門大賞、「女王の教室」で向田邦子賞受賞。