<アジア杯:日本2-0ヨルダン>◇1次リーグD組◇20日◇メルボルン

 やはり本田は、志が高い。開始直後、中盤で相手に深いタックルを受けた。警告が出てもおかしくないラフプレー。それでも本田は、表情1つ変えず、すぐ立ち上がって次のプレーに移行した。同35分には、相手2人が同時に削りにきて倒されたが、怒ることもなく、すぐさまボールをセッティングした。

 「オレはいい選手。相手に削られるのは当たり前。オレはもっと高いところにいるんだ」。本田には、こういう意識がある。極端な言い方をすれば削られる準備ができている。だから、深いタックルを受けても怒らないし、痛がらない。

 私が現役の時、相手のエースに対して、あいさつ代わりのタックルを仕掛けたことが何度かある。相手は負傷が怖いから、ボールを長く持たないし、プレーも萎縮する。メンタルを落とさせるため、わざと反則覚悟で厳しいところにタックルする。作戦の1つだが、今の本田に、その作戦は効かないはず。

 余談だが、私が名古屋時代、居残りのヘディング練習をすると、高卒1年目の本田が「競らせてください」と挑んできた。後に仲間から聞いたが、本田は私にはね返されてフラフラになったという。それでも、翌日また「競らせてください」と来た。高い志は、代表になる前から持っていたようだ。(日刊スポーツ評論家)