コンサドーレ札幌が東京FW近藤祐介(24)の獲得に乗り出すことが18日、分かった。チームはこの日、甲府が勝利したため今季のJ1昇格が消滅。早くも来季戦力補強に動きだした。重要ポイントとなる日本人FWとして180センチの大型ポストプレーヤーをリストアップ。06年に神戸で昇格に貢献した経験豊富なストライカーに照準を定め、獲得を目指すことになった。

 札幌の昇格戦線が、ついに終わった。18日、甲府の勝利により可能性がゼロになったことを受け、矢萩竹美社長(60)は「残り6戦での確定は不本意。期待してもらったサポーター、関係者には申し訳ないと感じている」と謝罪した。

 昇格消滅を受け、速やかに来季陣容づくりに取りかかる。最大の補強ポイントとなる日本人ストライカーとして東京FWの近藤をリストアップしていることが分かった。07年にオシム監督時代の日本代表候補にも選ばれた24歳に白羽の矢を立てた。

 17日の徳島戦では、体調不良を訴え離脱したFWキリノ不在が響き、今季初の3試合連続無得点に終わっただけに、攻撃力アップは不可欠だ。近藤は石崎監督が求めている前線で体が張れ、ボールがおさまるポストプレーヤーで、チームの補強ポイントとも合致。今季はJ1・10試合出場にとどまるが、潜在能力も高く、来季昇格への推進力となるはずだ。

 三上大勝強化部長(37)も近藤について「来季のチーム方針として補充したいタイプの選手」と評価。オファーの段階には至っていないものの、近藤本人も東京では出場機会に恵まれず移籍を熱望している。06年には当時J2だった神戸で昇格に貢献しており「来季はプレーできればJ1、J2のこだわりはない」とJ1への執着はない。

 札幌は今季途中にも補強リストに挙げたが、FWカボレの中東移籍などの影響で断念。現在はFW平山、赤嶺の2トップで態勢が固まっており、平山とタイプが重なる近藤の放出は決定的となっている。今季で東京との契約は満了し、来季は更新しない方針だけに、資金面の折り合いさえつけば、札幌入りが一気に加速する可能性はある。