仙台の新旧サイドバック(SB)対決がユアスタを熱くする。川崎Fを本拠地に迎え撃つ12日の天皇杯準々決勝。J2仙台の右SB菅井直樹(25)は元仙台主将の村上和弘(28)と、左SB朴柱成(25)は同じく元ベガルタの森勇介(29)とマッチアップする。村上と親交が深い菅井は「ついに対決できる」と胸を躍らせ、森と面識のない朴は「今は自分が仙台のSB」とライバル心を燃やした。

 「きん」と「ショージ」―。ともに芸能人の菅井きん、村上ショージから愛称を取る2人が初めてピッチで相対する。村上は01年から06年まで仙台に在籍し、菅井は03年から。4年間チームメートで「常に面倒を見てもらったし、お返しにショージさんの結婚のキューピッドになった」(菅井)仲だ。J1で2位とJ2王者の真剣対決。菅井は「こんなに早く対決が実現するとは」と興奮した。

 村上は06年にベガルタの主将を務め、同年末に戦力外通告を受けた。送別会で「泣いてしまった」という菅井。今も関東遠征の際に川崎市の村上家に泊まるなど交流は続き、今回の対戦に関しても「きん、あまり攻め上がってくるなよ」とけん制の電話を受けた。

 左サイドの朴も「今は自分が仙台のSB。昔のことは知らない」と強気だ。激しいプレーが売りの森に対し「そういう選手は好き。こっちも遠慮なく削らせてもらう」と宣言した。

 J1屈指の攻撃力を誇る川崎Fに対しても、仙台の現SBは攻撃的スタイルを貫く。「受け身になったらダメなんでガンガン攻めたい」(菅井)「前に前に攻め続けて、来季は仙台と当たりたくないと思わせる」(朴)。当日は両サイドの攻防に注目だ。【木下淳】