【グアム21日=永野高輔】地獄の4部練習が導入された。コンサドーレ札幌のグアムキャンプ2日目のこの日から、体脂肪が12%を超える選手限定で、通常の午前午後練習に早朝と夜を追加した、ハードな練習プログラムが課せられた。MF宮沢裕樹(20)やプロ1年目のMF古田寛幸(18)ら9選手が、早朝はランニング、夕食後は筋力トレーニングを主体のメニューをこなしていく。12%を切るノルマ達成に向け、徹底的に絞り込みを図る。

 余分は徹底的にそぎ落とす。オフの体重管理に失敗し、体脂肪率12%以上となってしまった選手に、過酷な“ペナルティー”が科された。4部練習を行うのはMF宮沢、古田、DF岩沼ら若手や新加入のFW近藤、内村ら総勢9人。石栗建フィジカルコーチ(38)は「体調管理ができていない選手がいる。身をもって自分の体で感じてほしい」と厳しい口調で説明した。

 戦いは夜明け前から始まる。早朝練習開始は午前6時15分。朝食前にグラウンドで20分間のランニングを行う。通常メニューは午前9時半からと、午後4時からの2部練習で終了するが、9人はそれで終わらない。夕食後の午後8時半から約10分間、軽い筋力トレで、もうひと汗かく。

 選手ごとに起床時間が変わるため、部屋割りも20日午後に急きょ変更。岩沼はDF藤山と同部屋だったが、同じ「4部組」近藤と一緒になり、近藤と同部屋の横野が藤山の部屋に移るなど微調整された。

 若手にプロとしての自己管理を徹底させる。23歳以下の選手が含まれていることに、石崎監督は「若いのが多いのは普段の生活がきっちりなっていないから」と手厳しかった。該当者の1人古田は「オフに筋肉を付けようとして食べ過ぎてしまった」と猛省。合宿期間は肉を控え納豆、豆腐など植物性タンパク質主体の食事で乗り切る方針だ。

 最高の手本がいる。最年長42歳のFW中山は体脂肪率7%台後半と、チーム2位の低さ。磐田時代は10%を超えるとランニングを課されたこともあり、体調管理が自然と身についた。「脂肪があるとキレがなくなる。動きの妨げにもなるから」。若いうちに体に染みこませれば、それだけ選手寿命につながることを、身をもって証明しているだけに見習わない手はない。

 課されたメンバーには過酷も、必勝ボディーを手に入れるためには避けては通れない道。11%台に突入すれば、2部練習に抜け出せる。グアムで闘志も体脂肪も徹底的に燃やし、戦いへの基礎を築く。【永野高輔】