17日の横浜戦が、J1リーグ通算100試合目の山形FW田代有三(27)は、メモリアル弾で勝利に導く。自身初めての4戦連発がかかる一戦で「壁を乗り越えたい」(田代)と意気込んだ。

 ストライカーにとってゴールは、これ以上ない精神安定剤。リーグ戦で3試合連発中の田代が「みんな、自分を見てくれている。積極的に打っていきたい」と、穏やかな口調で語るのもうなずける。だが、過去に2度乗り越えられなかった「4戦連発」に話題が及ぶと、語気が変わった。

 田代

 4戦連発は壁になっている。そこを乗り越えたい。

 田代のプロ生活は、苦難の道だった。福岡大に在籍していた03年、特別指定選手として大分に加わりJ1デビュー。鳴り物入りで05年に鹿島に入団したが、左ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂。その後も故障が続いたが「無理な体勢で打たないとか、プレースタイルを変えて」(田代)出場機会をものにしてきた。

 「時間がかかりすぎ」。田代はそういうが、自らの100試合目に祝砲を狙わないFWはいない。J1リーグ戦のクラブ記録となる3連勝へ導くためにも「まずは勝利。自分のゴールで勝てれば最高ですけど」と語った。ホームに迎える横浜は、05年に味わった“悲劇”の相手だ。「サポーターの力も借りて頑張ります」という田代が、自らの殻を破り、悪夢をぬぐい去る記念弾を、ゴールネットに突き刺す。【山崎安昭】