山形は22日、NDソフトスタジアム山形の室内通路でパス回し中心のメニューをこなした。この日は集中豪雨に見舞われ、グラウンドでの調整を断念。天皇杯準々決勝(25日=アウスタ)へ、文字通り水を差された。小林伸二監督(50)は清水戦へ、ポジションごとに警戒する選手を挙げた。「要注意人物」を攻略し、クラブ史上初の4強をつかみに行く。

 FW岡崎慎司(24)

 ボールを持っていない位置での動きに注意したい。ディフェンダーに遠い場所から全速力でゴール前へ現れるため、見逃すと非常に危険。動きだしを察知した選手がマーカーへ指示し、最終ラインで食らい付いて封じ込めたい。岡崎は来季、独シュツットガルトへの移籍が決定的。日本代表にまで育ててくれた長谷川監督の退任も決まっており、天皇杯にすべてを懸けてくる。最も乗せてはいけない人物だ。

 MF小野伸二(31)

 前線へパスを出した後、1度小野へ戻り、再びラストパスを出す。マークはもちろん、ボールを持ったときにはパスコースもふさぎたい。10月23日の試合では、左サイドの狭い位置でも正確なパスでチャンスメークしてきた。3カ国を渡り歩いた天才プレーヤーは、人数をかけてでも止める必要がある。

 DF児玉新(28)

 左サイドバックからの攻撃参加だけでなく、センターバックもこなす。小野、MF本田を追い越してオーバーラップしたときに「おとり」となることも多く、スキが生まれやすい。スペースを消すことで、後方に封じ込めたい。守備では、山形の右サイドからの攻撃を中へ絞っていき、DF岩下やDF平岡の待ち構える中央で勝負してくる。1対1は避け、複数で児玉の裏を取れば攻めの幅が広がる。【湯浅知彦】