<プレナスなでしこリーグ:福岡AN0-7INAC神戸>◇第2節◇22日◇レベスタ
良性発作性頭位めまい症で戦線離脱していたINAC神戸のMF沢穂希(33)が涙の復帰を果たした。福岡AN戦の後半27分から途中出場し、開幕2連勝に貢献した。沢の公式戦出場は2月29日のアルガルベ杯ノルウェー戦以来で、リーグ戦は今季初出場。不安視されたロンドン五輪にも見通しが立ち、体調がさらに上がれば、次節29日のAS狭山戦(ホーム)での先発出場の可能性も出てきた。
涙の戦列復帰だった。沢は試合後、思わず目頭を熱くした。約1カ月半ぶりの公式戦出場を果たし「久しぶりの公式戦で思うようなプレーができなかったが、うれしかった。『ただいま』(という気分)です。緊張して足がガクガクした」と涙目で声を弾ませた。
感無量の復帰は後半27分だった。星川監督に呼ばれた沢は「W杯決勝より緊張している」と漏らした。だが、ピッチでMF大野主将らが「おかえりなさい」とお出迎え。アウェーにもかかわらず、3000人を超す福岡ANサポーターにも拍手で祝福され、こみ上げてくるものがあった。
ポルトガルに遠征していた3月のアルガルベ杯の最中に良性発作性頭位めまい症に襲われた。国内の数カ所の病院を回ったが、さまざまな診察結果が出るなど不安に見舞われた時期もあったという。「いつ治るか先が見えなくてつらかった」。だが、星川監督ら周囲の献身的な支えで回復していた。
試合前、星川監督は「ストレスのない状態にしてあげよう」と大量リードでの沢投入を選手に説明。実際に5-0の場面からボランチで出場したエースは「みんながいてくれたから、ここに戻って来られた」と発奮した。この日は頭部への影響を考え、守備機会でヘディングを2度試みただけだった。今後は「怖さが消えれば大丈夫。自然にやります」と意気込んだ。
「元気な姿を見せてくれた」という星川監督は、次節AS狭山戦での先発も視野に入れる。沢は「目標のロンドンに向けて1日1日大切にしたい」。なでしこジャパンの大黒柱が、晴れの舞台へ向けて大きな1歩を踏み出した。【菊川光一】



