今年の梁はひと味違う。宮崎・延岡でキャンプ中の仙台が大分と練習試合を行い、4本合計4-2で勝利した。大分がベストメンバーをそろえた1、2本目で0-1と劣勢に立たされたが、メンバーを入れ替えた3本目の27分にMF梁勇基(31)が同点弾。個人で仕掛けてゴールを奪うという、目指す進化形を体現してみせた。FW赤嶺真吾(29)も2ゴール。13年初となったJリーグ勢相手の実戦で収穫を得た。
左サイドの梁が声を張った。「勇人!」。佐々木から注文通りのサイドチェンジを受けた背番号10は、そのままエリア内へ進入。中央に折り返すと見せかけて縦へと突破し、最後は左足で豪快に突き刺した。「打ったら入ったって感じですわ」。関西弁でおどけてみせたが、イメージ通りだった。
「ああいう個人で仕掛けてゴール、という形を課題として追求していきたい。できれば自分の幅が広がる」。チームが攻撃のバリエーション増加を掲げる今季。大黒柱も自らの引き出しを増やそうとしている。得点シーンを振り返れば、赤嶺と武藤がゴール前に詰めていた。「今までだったらパスだった。でも、ゴール前でも個人で崩せれば一番楽だし、相手にとっても怖いはず。仕掛ける意識あってのパス」とうなずく。
新たな挑戦の一方で、らしさも健在。4本目の4分には、右足の正確なクロスから赤嶺の1点目をアシストした。ゲームキャプテンとして若手中心のメンバーを引っ張り、試合後の手倉森監督も「うまかったな」とニヤリ。さらには「梁と赤嶺に関しては、もうシーズンインできるくらい周りが見えてる」と褒めちぎった。
昨季は3ゴールに終わったが、10年には2ケタ得点を記録している。相手にとって危険なエリアでの仕掛けを意識することによって「FKやPKも増えるはず」と、さまざまな形から得点量産をもくろむ。進化を続ける31歳が、今年も攻撃の中心を担うのは間違いない。【亀山泰宏】



