93年5月15日、国立競技場の川崎-横浜M戦で開幕したJリーグは15日、20周年を迎える。

 横浜MF中村俊輔(34)は、20年前の5月15日に国立のスタンドに座っていた。当時中学3年で14歳の中村は、横浜ジュニアユースに所属しており、クラブからチケットを与えられた。

 中村

 あの時は、普通にサッカーの試合を見に行った感じ。トップチームを応援するとか、自分が下部組織にいるという意識はなかった。カズさんの独特な髪形とか、ラモスさんを見てた覚えがある。

 一緒に観戦したチームメートと話していたのは、誰がJリーグ第1号ゴールを決めるか。前半19分、その瞬間が訪れた。V川崎のFWマイヤーが左足ミドルで決めた。「ロングシュートで決めたのが印象に残っている。まさかマイヤーが決めるとは…。日本人が決めると思っていた」と振り返った。

 「中村俊輔」の名前入りプラチナチケットは、しばらく宝物のように大切に保管した。その後ユースに昇格できなかったが、あの日の華やかなピッチに立つ夢を抱き、桐光学園で頭角を現してプロへの扉を開いた。今やJリーグを代表する選手となった中村は、明日15日もナビスコ杯の磐田戦(ニッパ球)で緑の芝に立つ。【由本裕貴】