<J1:柏1-3磐田>◇第25節◇13日◇柏

 磐田が柏を破った。7月10日の新潟戦以来10戦ぶり白星で、アウェー戦勝利は昨年9月15日の神戸戦以来約1年ぶり。敵地で17戦連続未勝利ならJリーグ記録に並ぶところだったが、FW前田遼一(31)が2得点し、チームを救った。今季3勝目で、J2降格圏からの脱出へ、希望が見えてきた。

 エース前田が得点した試合で、磐田は今季初めて白星をつかんだ。7月の新潟戦以来の勝利。もし「勝ち点3」を重ねなければ、クラブワーストの10戦連続勝ちなし、アウェー連続未勝利がJ1ワーストの17試合と、2つの不名誉な記録に並ぶ危機だった。吹き飛ばしたのは、前田だった。

 前半5分、CKからDF菅沼駿が先制。直後の同7分、再びCKから前田が頭で押し込んだ。今季の磐田は先制した8試合のうち、勝利で終えたのはわずか1試合。勝ちきれない弱さがチームの低迷を招いていた。この日も後半11分に1点を返され、嫌なムードに包まれた。MF小林裕が「ここで負けたら終わりだぞ!」と叫び、チームを引き締める。そして後半18分。FW山崎のクロスに反応した前田がネットを揺らし、勝利を決定づけた。

 サポーターから鳴りやまない前田コール。前田はいったん引き揚げた後、再びサポーター席に出向いて手を振った。「今年、初めてと言っていいぐらい仕事したと思うし…。これぐらいしないといけない。サポーターには『お待たせしました』という気持ちです」と笑みがこぼれた。

 今週のシュート練習ではDF駒野のクロスなどにピタリと合わせ、ゴールのにおいを漂わせていた。最近は日本代表に呼ばれていないが、チームメートとの練習が増えた。「みんなで長い時間、練習できるのは大きい」と前向きに振り返った。

 しかし、チームはまだJ2降格圏にいるのは事実だ。前田も「みんな危機感を持っていたし、いい時間帯に先制点を取れたのがよかった。でもまだ1試合。崩れるのも早いし、チームの流れを変えなければいけないと思う」。エースが得点を重ねれば、チームの残留も代表への復帰の道も開けるはずだ。【岩田千代巳】