古巣を倒して連敗を止める。仙台MF野沢拓也(33)が、今日23日のホーム鹿島戦出場に強い意欲を示した。前節鳥栖戦で移籍後初めてフル出場したが、22日の練習はミニゲームとセットプレー練習を回避。出場が微妙な状況も「足の具合?

 それは相手に教えられないから。もちろん楽しみな試合だし、勝つために出たい」と回復に専念してピッチに立つつもりだ。

 サポーターの思いにも応える。4連敗で迎える9月唯一のホーム戦を前に、練習場には横断幕が掲げられた。加入後初の光景に「気持ちを肌で感じた」と、あらためて闘争心を奮い立たせた。ジュニアユース時代から約20年間を過ごした鹿島で、勝利への執着心を植え付けられた。「この状況から脱出するためには、下を向いてるヒマはない」。強い危機感を持って、今後を占う大事な一戦に臨む。

 簡単に勝てる相手ではないことは、誰よりもわかっている。4月のカップ戦では、鹿島の一員として仙台を沈める直接FKを決めた。5カ月後、立場は逆になった。「強い鹿島に勝てば、必ず勢いがつく」。ベガルタを救うためにやってきた男が、数々のタイトル獲得を味わった古巣に意地を見せる。【鹿野雄太】