1998年長野冬季五輪の翌年から実施されてきた「長野オリンピック記念長野マラソン大会」の組織委員会は30日、来年4月の第17回大会から「長野オリンピック記念」の文言を名称から外すと発表した。オリンピックの文言使用が2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の知的財産を侵害する恐れがあるためだが、関係者からは「変える必要はないのでは」「寂しい」との声も出ている。

 日本オリンピック委員会(JOC)によると、国際オリンピック委員会(IOC)と締結した20年五輪の開催都市契約書で、組織委員会が五輪に関する知的財産保護の義務を負うことが規定されている。同マラソンの組織委員会はJOCから要請され、18日の会議で「長野マラソン大会」への変更を決めた。

 東京五輪組織委とJOCは、来年1月から始めるマーケティング事業でスポンサーに五輪マークやエンブレムなどを使用する権利を与えるため、五輪の名称を含めた知的財産を厳しく管理する。同マラソンは長野五輪の遺産として発展してきたが、大会事務局の担当者は「混乱を避けるために判断した」と説明した。