女子マラソンで昨年の世界選手権で5位入賞した赤羽有紀子(32=ホクレン)は1日、自身のブログで五輪選考レースとなる3月11日の名古屋ウィメンズに出場することを発表した。エントリーしていた今月26日の東京マラソンは欠場する。国内選考会に出場せず五輪代表(3枠)に選出される可能性もあったが、大阪で重友梨佐(24=天満屋)が出場権を確実にする中、決断した。名古屋には野口みずき(33=シスメックス)尾崎好美(30=第一生命)らが出場を表明しており、ロンドン切符をかけたサバイバルレースとなりそうだ。

 奄美大島で合宿中の赤羽は、自身のブログを通じて名古屋への参加を表明した。夫周平コーチの書き込みで「最終的には悔いの残らない選択であると、有紀子本人が決断致しました。私も最終的に同じ考えです」。5日前に東京マラソン(26日)へのエントリーを表明したばかり。そこで自己記録の大幅更新を狙っていたが、急きょ方向転換となった。

 世界選手権で日本人トップの5位入賞。五輪の有力候補となったことで横浜国際、大阪国際の選考レースをパスして「静観」してきた。だが横浜で木崎が、大阪では重友というニューヒロインたちが誕生。赤羽の置かれた立場は変化し、微妙な立場となった。

 今回の出場経緯について「大阪国際女子マラソンレース終了以降に、じっくり現状を整理して話し合いを行う予定でいましたが、実際のところは大阪のレースが始まる頃には、有紀子の頭の中で考えはまとまっていたようです」とブログで説明。昨秋以降どのレースに出場するか葛藤があったが、夢の五輪表彰台へ、まずは自らの力を国内で示す決意を固めたようだ。

 後のない野口、尾崎が背水の陣で臨む上に、前回の名古屋で北京切符をつかんだ中村友梨香(天満屋)に、世界選手権組の中里麗美(ダイハツ)、伊藤舞(大塚製薬)、ベテラン渋井陽子(三井住友海上)らそうそうたるメンバーが集まる。重友、木崎に続く「1枠」をかけ、のるかそるかの大勝負。熱き女の火花が飛び散るサバイバルレースの様相だ。「目標がはっきりと決まると、今まで以上に気持ちが入り、更に良いトレーニングになっていくと思います。来たる決戦に向け、気合は十分です!」(ブログから抜粋)。赤羽の参戦で、尾張・名古屋がヒートアップした。【佐藤隆志】