<陸上:防府読売マラソン>◇21日◇山口・防府市陸上競技場発着

 公務員ランナー川内優輝(27=埼玉県庁)が今年最後のフルマラソンを優勝で締めた。目標の自己ベスト、大会記録のダブル更新はならなかったが、2年ぶり2度目の優勝。2時間9分46秒の日本人男子最多8度目のサブテンを記録した。16年リオデジャネイロ五輪の最初の国内選考会となる来年12月の福岡国際マラソンは、優勝して五輪切符に近づくつもりだ。

 川内が2年ぶり2度目の優勝を飾り、目指す16年リオ五輪代表へ手応えをつかんだ。2時間8分14秒の自己ベストを更新する7分台と、大会記録の塗り替えを狙って臨んだ今回、2時間8分8秒以内ならアフリカ勢を除く今年の世界最高記録だった。2時間9分46秒の日本人男子最多8度目のサブテンで制したが、「勝てたことはうれしいが目標の7分台が出せず悔しい。まだ練習が足りない」と笑顔はなかった。

 だが成長の証しを随所に見せた。キボルとの一騎打ちになった33キロ過ぎ。アップダウンのある橋を勝負どころと見るや一気のロングスパートで独走した。宗猛・日本陸連男子長距離マラソン部長(61)は「風もありサブテンは厳しいと思ったが、ベストの走りだった」と舌を巻いた。

 今年のフルマラソンは12レース中、防府読売までの3連勝を含む7勝で締めた。47都道府県のレース制覇を目標に、来年1月の鹿児島・いぶすき菜の花マラソンに出場予定。7分台を狙う3月のソウル国際マラソンなどで調整を進めていく。待望のリオ五輪へ「福岡国際では一発でリオ五輪の代表を決めたい」と熱かった。【菊川光一】