F1で歴代最多の7度の年間総合王者に輝いたミハエル・シューマッハー(ドイツ)が今季第11戦(8月23日決勝=スペイン)の欧州GPから、古巣フェラーリのドライバーとして復帰する見通しとなった。

 かつては潤沢な資金力を誇ったF1も最近は経費削減策をめぐってトラブル続き。人気にも陰りが見えており、F1の救世主として元王者の走りに注目が集まりそうだ。

 シューマッハーは1991年にF1デビューし、2006年の引退まで史上最多通算91勝。2000年から史上初の総合5連覇を達成し、「皇帝」の愛称で親しまれた。

 3季ぶりの戦列復帰は、フェリペ・マッサ(ブラジル)がハンガリーGP予選中の事故で負傷したのがきっかけ。代役としてマッサが戻るまでの期間限定だが「自分のF1人生は終わったと思っていた」と、40歳の元王者は驚きを隠せない。

 しかし、世界的な不況でF1の高額チケットは敬遠され、スターも不在。6月のトルコGPではスタンドに空席が目立ち、自動車レースの最高峰としての輝きを失いつつある。10月に日本GPを開催する鈴鹿サーキット関係者は「まずはマッサの回復を願いたい。有名な選手なので出れば話題になるだろう」と話した。(共同)