ロンドンパラリンピック金メダルの日本女子代表が、トルコに2-5で敗退し、3位以下が決定した。

 元プロ野球選手の娘の“パワースロー”も一歩及ばなかった。大洋(現DeNA)などで剛速球右腕として通算57勝を挙げた、欠端光則氏(52)の長女、瑛子(22)は体全身を使ったバウンドボールを連投したが、トルコの鉄壁な守備に阻まれ、前半11分の1点のみに終わった。欠端は「昨日の試合で課題だったコミュニケーションは図れていたけど、ボールコントロールが悪く、後半に失点を続けたことで、試合の流れがトルコにいってしまった」と猛省。市川喬一ヘッドコーチは「トルコの力強いバウンドボールに対応できていなかった。海外の強豪国に勝つためには、その部分を修正していかないといけない」と振り返った。

 欠端は横浜市出身。体のメラニン色素が少ない「先天性白皮症」のため視力が弱い。日焼けは禁物で、学生時代は球技も体育も苦手だった。特別支援学校高等部1年の時、ゴールボールと出会い、才能が開花。ロンドン大会後の12年9月には、DeNA-巨人戦(横浜)で始球式を務め、光則氏の指導のもと、ノーバウンド投球を披露した。7月31日の試合は、光則氏も応援に来ていたが、特にアドバイスなどはなかったという。

 同大会は7月31日から8月2日までの3日間開催される。日本(世界ランキング3位・5月末時点)、トルコ(同6位)、ロシア(同7位)、韓国(同28位)の4カ国が出場し、総当たり戦を経て、2日に決勝と3位決定戦が行われる。

 日本は同日夕のロシア戦を前に1勝3敗1分けで、3位以下が決定した。

 ゴールボールは1940年代、第2次世界大戦で視覚に障害を受けた傷痍(しょうい)軍人のためのリハビリテーションプログラムとして考案。選手は視力の程度にかかわらず、ゴーグルをして目が見えない状態で、1チーム3人でプレーする。バレーボールとほぼ同じ大きさのコートで行い、前後半各12分での得点数を競う。攻撃側は、鈴の入った1・25キロのボールを転がし、幅9メートルの相手ゴールを狙う。音と気配による駆け引きで、プレー前には審判が「静かに」と注意を促すボードを会場内に掲げる。「沈黙の中の格闘技」とも呼ばれている。