警視庁大崎署は12日までに、窃盗の疑いでバレーボール男子の日本代表、王金剛容疑者(30)を逮捕した。

 所属先の東レは同日、東京体育館で開催中の全日本選手権出場を辞退した。逮捕容疑は10日午後8時半ごろ品川区東五反田2丁目の店舗で、20代の男性客が席を離れた間にパチンコ台に置いた財布を盗んだ疑い。

 同署によると財布には15万円以上あり、王容疑者は14万円を抜いた後で店員に届けた。「ついやってしまった」と容疑を認めている。財布は客に返却されたが紙幣がなくなっていたため、店員が110番した。防犯カメラにも紙幣を取る姿が写っていた。チームは品川区内に宿泊しており、当時は自由時間だった。

 東レは全日本選手権で優勝7度の強豪。今回は11日の2回戦で創造学園高(長野)に勝ち、8強入り。辞退により準々決勝は相手の豊田合成が不戦勝となった。東レは12日までに拠点の静岡県三島市に戻り、20、21日に三島市民体育館でプレミアリーグの試合を予定している。同社によると記者会見の予定はないという。王容疑者は中国出身で日本に留学。日本国籍を取得し、代表チーム入りした。

 日本代表選手絡みでは競泳男子の冨田尚弥選手(25)が仁川アジア大会で窃盗容疑により略式起訴され、帰国後に無実を訴えて裁判を申し立てている。