道産子女子高生がスマイルジャパン入りを果たした。日本アイスホッケー連盟は4日、ソチ五輪女子日本代表21人を発表し、17歳のFW浮田留衣(Daishin、釧路工高)が史上最年少で選ばれた。168センチの恵まれた体格を生かした対人プレーの強さとシュート力が持ち味のホープが、チームに新風を巻き起こす。また、18歳のGK小西あかね(釧路ベアーズ、釧路東高)も選出された。

 スマイルがこぼれた。この日、釧路市内で会見に出席した浮田は「テレビで見ていた舞台に立てるのはうれしい。(知らせを聞いて)1人でニヤニヤしていた」と喜んだ。98年長野五輪代表の仲晶子(当時立命館慶祥高、17歳)と誕生日1日違いで、史上最年少のメンバー入りを果たした。チームメートは全員年上。「緊張すると思うけど、年齢構わず、頭をフル回転して悔いの残らないプレーをしたい」と本番では物おじせず、全身全霊で戦うことを決意した。

 幼いころから練習の虫だった。特にシュート練習が好きだった。帰宅後も自宅の壁に石で描いた円に向かって、打ち込んでいた。飯塚祐司監督(39)は「浮田のシュートはけた外れ。代表でもずばぬけている」と評価。高校入学後は正確性にパワーも加わり、日本代表トップクラスのシュート力を有する選手に成長した。

 土木科に通う「ドボジョ(土木系女子)」だ。2学年で女子は3人。授業では測量や図面の書き方などを学ぶ実習がある。担任の洞防人教諭(30)は「他の女子は隅でおしゃべりをしていても、浮田は男子に交ざってサッカーをしている。彼女の方がうまいし、遜色ない」と話す。外国人相手にも当たり負けしない、男子顔負けの運動能力が、日本の武器になる。

 先月の修学旅行は遠征中で参加できなかったが、五輪行きの切符は手にすることができた。「学校の友達からおみやげで金閣寺のお守りを買ってきてもらった。“金メダル”ってことでソチにも持って行こうかな。五輪で氷上に立てたらスピードを生かして得点を決めたい」。17歳のホープは、日の丸をつけて女子アイスホッケーの歴史に新たなページを刻む。【保坂果那】

 ◆道産子高校生の主な冬季五輪代表

 92年アルベールビル大会スピードスケート男子で糸川敏彦(白樺学園高)が17歳で出場した。94年リレハンメル大会フリースタイルスキー・モーグル女子で17歳の里谷多英(東海大四高)が初めて代表入り。06年トリノ五輪スキー・ジャンプ男子で16歳の伊藤謙司郎(下川商高)が同種目日本人最年少で出場した。同大会スノーボード・ハーフパイプ男子で国母和宏(登別大谷高)も17歳で五輪代表に選出された。