阪神は初戦のミラクル逆転勝ちを生かせず、DeNAに連敗を喫して再び借金が2となった。この日は先発秋山が踏ん張れず、打線も大山と近本のソロ2発に終わったが、日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(49)は守備のほころびを問題視。2回の中堅中谷のファンブルや、投手の大貫にバント安打を決められるなど、先制点献上につながった痛いミスを厳しく指摘した。

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昨年21勝39敗2分けと苦しんだ甲子園で、今季も負け越しスタートとなりました。得点力に乏しいというチーム事情が改善されていない中、投手を含めた防御力で勝率を高めることが求められるわけですが、その守りの部分で2回、残念なプレーが続きました。

1死後、宮崎に内野安打を許すと、続く大和に運ばれた中前打を中谷がファンブル。二塁止まりだった宮崎の三塁進塁を許してしまいました。

そして伊藤光の右前打で先制点を許してなお一、二塁。9番大貫は当然、送りバントの場面です。2球目の三塁線へのバントは確かに絶妙でした。しかし、投手の秋山はマウンド付近のまま。三塁大山はベースカバーを優先したため、三塁前のスペースが大きく空き、内野安打となって満塁に。2死後の押し出しによる2点目につながりました。

先発秋山は昨年の手術以降、2軍での調整が続き、1軍メンバーとの練習が不足していただけに、野手はいつも以上の事前確認が必要だったと思います。まして秋山が復帰戦であれば、バックが守りでも盛り上げたいところでした。もちろん甲子園での勝率を上げるためにも、防げるミスは徹底した準備で防ぐことが求められます。

2回の負の連鎖につながった伏線は、初回の先制機を逃した場面にあります。糸井の二塁打で1死二、三塁と絶好のチャンス。ここで4番大山が三塁ゴロに倒れてしまいました。相手先発はルーキー大貫。もし1点でも取れていれば、前日の1安打負けという嫌な流れも断ち切れただけに惜しまれます。いずれにしても1、2回の攻防が甲子園負け越しにつながってしまいました。