日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(39)が9日、古巣阪神の1軍沖縄宜野座キャンプを視察し、シート打撃に登板した大竹耕太郎投手(27)を高評価した。現役ドラフトでソフトバンクから加入した左腕の「幻惑スタイル」に可能性を感じ、開幕ローテ左腕争いの有力候補の1人に指名した。【聞き手=佐井陽介】

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この日のシート打撃を見る限り、大竹投手がかなり高い確率で開幕ローテ争いに加わるのではないか、と感じました。制球力の高さは大前提として、「奥行き」と「左右」で打者を惑わせられる。首脳陣も「計算できる投手」と考えているのではないでしょうか。

中でも注目した1球が、高山選手を初球で遊ゴロに打ち取った直球。内角143キロで完全に詰まらせたのですが、150キロ超でもない直球であれだけ詰まらせられるのは「奥行き」を使えている証拠です。大竹投手の場合、打者の頭の中にチェンジアップがチラついているから、140キロ前半の直球でも速く見せられるのだと想像します。

自分が知る限り、チェンジアップを武器とする先発投手には「長寿」のイメージがあります。阪神の先輩でもある能見さんもそうですし、元ソフトバンク、巨人の杉内さんもそう。昨年までソフトバンクで同僚だった和田さん、メジャーではマリナーズなどで活躍したモイヤーさんもチェンジアップの使い手でした。大竹投手はチェンジアップの他にスライダーやカーブ、ツーシームもある。まだ27歳ですし、長く現役生活を送れる可能性はまだまだ十分あると感じます。

実は大竹投手とは現役時代から縁があって、彼が苦手としていた西武に僕が好投した後、「どうやって抑えたのか」を直接聞きに来てくれたこともありました。探求熱心な性格でもあり、新天地でどれだけ活躍できるか楽しみです。現状、阪神開幕ローテの左腕候補は当確組の伊藤将に加え、岩貞投手、桐敷投手らの名前が挙がります。この争いの中、大竹投手も決して引けを取らないと見ています。(日刊スポーツ評論家)

◆大竹耕太郎(おおたけ・こうたろう)1995年(平7)6月29日生まれ、熊本県出身。済々黌-早大を経て、17年育成ドラフト4位でソフトバンク入団。18年に支配下へ昇格し、11試合で3勝。19年には開幕ローテーション入りを果たし、5勝を挙げた。昨オフの現役ドラフトで阪神移籍。通算35試合、10勝9敗1ホールド、防御率4・07。184センチ、87キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸2000万円。

シート打撃練習でチェンジアップを投げる大竹(撮影・上田博志)
シート打撃練習でチェンジアップを投げる大竹(撮影・上田博志)
シート打撃練習で登板する大竹(撮影・上田博志)
シート打撃練習で登板する大竹(撮影・上田博志)
シート打撃練習で登板する大竹(撮影・上田博志)
シート打撃練習で登板する大竹(撮影・上田博志)
シート打撃で坂本(左)と話し合う大竹(撮影・上山淳一)
シート打撃で坂本(左)と話し合う大竹(撮影・上山淳一)
シート打撃に登板する大竹(撮影・上山淳一)
シート打撃に登板する大竹(撮影・上山淳一)
シート打撃で登板する大竹(撮影・上山淳一)
シート打撃で登板する大竹(撮影・上山淳一)
シート打撃で登板する大竹(撮影・上山淳一)
シート打撃で登板する大竹(撮影・上山淳一)
キャンプを視察した日刊スポーツ評論家の岩田氏(2023年2月撮影)
キャンプを視察した日刊スポーツ評論家の岩田氏(2023年2月撮影)