セ・リーグは大混戦の中、7連勝で首位にいる巨人の先発は、今季7勝1敗で防御率1・94の菅野だった。一方、DeNAは巨人に2連敗し、先発は4勝4敗のケイ。この試合で巨人が勝つと、混戦を抜け出せそうな勢いがつくのではないかと思っていた。しかし、ふたを開けてみると、試合は一方的な展開でDeNAが快勝した。
最初に試合を振り返ってみたい。先発した菅野はチームが連勝中でもあり、立ち上がりに慎重になりすぎたのだろう。初回の先頭・梶原に2球目の高めに浮いた真っすぐを左翼線に二塁打され、続くオースティンにも1ボールから高めの真っすぐを右翼フェンス直撃の二塁打とされた。ただ、梶原の当たりは打球が弱かったため二塁打になったものであり、オースティンのフェンス直撃の二塁打もややこすったフライで、走者はホームにかえれなかった。
ここで気持ちを切り替えられればよかったが、佐野のレフト前タイムリーも2ストライクに追い込んでから、高めのボールゾーンの真っすぐをバットに合わせられるようにして打たれたものだった。この後も山本の犠牲フライ、桑原のセンター前タイムリーで初回に4点を奪われた。
2連敗しているDeNA打線は、2番にオースティンを据えた攻撃的なオーダーで、積極的に打っていこうという指示が出ていたのだろう。手探りで慎重になりすぎた菅野の出ばなをくじいた。
一方の巨人打線は、ケイを打ちあぐねた。いつも立ち上がりは特に「荒れ球」のケイだが、今試合はストライクゾーンで勝負できていた。序盤の3回まででファーストストライクを打ったのは、大城卓(遊ゴロ)、若林(空振り)、丸(空振り)、ヘルナンデス(ファウル)の4人だけ。その後も見逃しが多く、リズムに乗せてしまった。結局、来日最長となる8回を投げ、無失点で5勝目を挙げた。
巨人にとっては手も足も出ない敗戦だが、悔やまれるのはリリーフした畠と平内が打たれた2本のソロ。畠はカットを2球続けてボールになった後の真っすぐを牧に打たれ、平内は真っすぐがボールになった後のスプリットが高めに浮いて宮崎に本塁打された。
両投手とも真っすぐが武器の本格派タイプ。あまりに単純な失投だった。2人とも打者との勝負というより、ストライクを取りたいという自分自身との勝負をしているような内容だった。
優勝するチームは、大きな劣勢をはね返して勝つゲームを作ることができる。そのためにも畠と平内が一皮むけ、つまらない失点を与えずに打線の援護を待ち、逆転できるような試合を演出してほしい。それができれば、混戦を抜け出す大きな武器になるだろう。(日刊スポーツ評論家)




