初戦を制した阪神がまさかの2ケタ失点を喫し、逆転負けで1勝1敗となった。初回に佐藤輝明内野手(26)が先制打を放つも、先発のジョン・デュプランティエ投手(31)が2回途中7失点と大炎上した。日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(44)はソフトバンク栗原の初回同点打をキーポイントに挙げ、周東に1試合5安打、山川に1試合5打点を許した大敗を「阪神にとっては嫌な1敗」と表現した。【聞き手=佐井陽介】
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結果だけを見ればソフトバンクの大勝ですが、5番栗原選手の同点打がなければ、第1戦に勝利していた阪神がこの日も優位に試合を進めていたかもしれません。
ソフトバンクは初回、痛恨のミスを犯していました。1点を先制された直後の1回裏、先頭からの2連打で無死一、二塁とした直後のシーン。犠打を試みた3番柳町選手がストライクボールを見逃した際、二塁走者の柳田選手が飛び出してタッチアウトになったのです。
このまま無得点で終われば、間違いなく阪神ペースになっていたであろう空気感の中、栗原選手は2死一、二塁、1ボール2ストライクと追い込まれながら右前適時打を放ちました。第1戦から続く負の流れを吹き飛ばす、本当に価値ある一打だったと感じます。栗原選手の一打が飛び出していなければ、この回の逆転劇はもちろん、周東選手の5安打、山川選手の1発を含む5打点も生まれていなかったことでしょう。
阪神からすれば、嫌な2人を勢いづかせてしまいました。球界屈指の快足を誇る周東選手はソフトバンクの中で最も出塁させたくない打者。打線の潤滑油としてキーマンと表現できる存在でもあります。長打で流れを変えられる山川選手にしても、日本シリーズ期間中は絶対に眠らせておきたかった相手。2人を乗せてしまったという意味では、タイガースにとっては非常に嫌な1敗となりました。
阪神打線の中では5番大山選手の状態が少し気がかりです。これで日本シリーズは計8打数無安打。この日は感覚にズレがあるのか、打球の行方を見失うシーンも見受けられました。ただ、日本シリーズはいい意味で気持ちを切り替えやすい短期決戦。移動日を挟んでの第3戦でどこまで立て直してくれるのか、注目したいところです。
第3戦からの舞台は甲子園。本拠地に戻る阪神は、先発が試合を作って少ないチャンスをモノにする、普段通りの戦い方を取り戻すだけです。周東選手、山川選手の前に走者を出さない、できるだけ好機で回さない。投手陣がレギュラーシーズンと同様の働きに徹すれば、おのずと得意の接戦に持ち込めるはずです。(日刊スポーツ評論家)




