ロッテ伊東監督の“厳しさ”を垣間見た。3年目の中村奨吾内野手(24)が5日の日本ハム戦後、2軍降格を告げられた。開幕から6打数無安打。5日はボール球を振って空振り三振と、内容も悪かった。守備でも、開幕カードで致命的な適時失策を犯した。それでも、開幕遊撃をつかんだ選手。わずか5試合での判断に少なからず驚いた。翌日、伊東監督は「まだ早い時期なので、やり直しが利く。下で見つめ直して欲しい」と説明した。

 遊撃は、今季のカギとなるポジションだ。昨季のベストナイン遊撃手である鈴木の二塁転向に伴い、キャンプから、中村、平沢、三木らで競わせてきた。最終的に中村が勝ち取ったが、伊東監督は「まだレギュラーはいない。良い人を使っていく」と宣言していた。実際、開幕3戦目、4戦目は平沢が就き、同6戦目では大嶺翔が自身初の遊撃スタメン。さらに、中村に代わって昇格した三木が途中出場し、良い守備をした。

 中村は「結果を出さないと、こうなる世界。一回り大きくなって戻ってきます」と受け止めていた。ダメならすぐに降格というのは厳しい現実だが、逆に言えば、良ければまた上げてもらえる。それぐらい、今のロッテには若手にチャンスがある。誰がものにするか、だ。【ロッテ担当=古川真弥】