人生でのベストアーチは、どの1本ですか-

 通算150号達成前の6月上旬、ヤクルト山田哲人に聞いてみた。2度のトリプルスリー、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場など、大舞台で数多くのアーチを描いてきた。記憶に残る1発は、どんな場面で、だれから打った本塁打なのか。1本を選ぶのは、きっと大変だろう。かなり熟考するのかなと思いきや、即答だった。

 山田哲 甲子園での本塁打ですかね。高校時代の。

 プロという最高峰の舞台での1発ではなく、大阪・履正社3年の10年夏、聖光学院(福島)の歳内(現阪神)から放った青春時代の思い出を挙げた。この本塁打を選んだ理由は、シンプルだった。

 山田哲 甲子園で本塁打を打つのが、ずっと僕の夢でしたからね。

 プロ入り後、しびれる場面を何度も経験した山田哲をも魅了し続ける夏の甲子園。母校の金足農(秋田)が甲子園出場を決めた守護神の石山は「人生の中での大きなチャレンジ」と魅力を説明する。幼少期に野球をはじめた子どもたちにとって、最初に描く夢・目標が「甲子園出場」になることが多い。だからこそ、甲子園を目指して汗を流した高校時代の思い出は、年齢を重ねても、色濃く脳裏に刻まれるのだろう。

 そんな夏の甲子園は、今年で100回目を迎える。プロ野球もシーズンの終盤に突入して盛り上がってくる中、大きな夢をかなえて大舞台に立つ高校球児の姿も楽しみにしたい。【ヤクルト担当 浜本卓也】