前人未到の3年連続最優秀中継ぎを目指すヤクルト清水昇投手(25)に、中心選手としての自覚が強く芽生え始めている。

沖縄・浦添キャンプでは、元監督の古田敦也氏が臨時コーチとして訪れた初日(2月5日)に志願してブルペンで投球を受けてもらうと、同8日には取材に訪れていた野球評論家の松坂大輔氏に歩み寄り、スライダーの投げ方などを教わった。

レジェンドたちに積極的に教えを請う理由について「初めてタイトルを取った時も自分で取ったというより、監督が何とか取らせてあげようという形で投げさせてもらって。昨年やっと自分でなんとかいい成績を出して、今年もっと自分から動いていこうかなという気持ちになった」と説明。これまでもチームの指導者や先輩から多くを学んできたが「新しい発見もほしいですし、だからこそ3年連続で取るなら新しい風がほしいと思って。すごく動いてみようかなと思っています」と力強く話した。

またキャンプ最終日には練習の最後に音頭を取って手締めを行った。選手会長の小川が3月2日の日本ハム戦とのオープン戦(札幌ドーム)へ向け前日にチームを離れたことによる“代役”ではあったが、選手を代表する重要な役目。

「充実したキャンプを送れたのも浦添市、球場関係者、ホテル関係者の皆さまのお力があったからこそと思っていますし、コロナ禍という中で、連日足を運んでくださったファンの皆さまに感謝をして今シーズンも臨んでいきたいと思います」と感謝の言葉を述べて一本締め。前日に急きょ決まったという代役を堂々とこなし「楽しかったです」と笑顔を見せた。

2年連続でタイトルを獲得した自信と、現状に満足せずさらなる進化を目指す向上心。心身共にたくましさを増したタフネス右腕が、今季もきっちりと終盤のブルペンを支える。【ヤクルト担当=鈴木正章】

清水(左)の投球練習を受け終え声を掛ける古田臨時コーチ(2022年2月5日撮影)
清水(左)の投球練習を受け終え声を掛ける古田臨時コーチ(2022年2月5日撮影)
ヤクルト清水(右)に握り方を教える松坂氏(撮影・鈴木正人)
ヤクルト清水(右)に握り方を教える松坂氏(撮影・鈴木正人)