3年ぶりに広島二俣翔一内野手(21)が“捕手”を務めた。
8月17日ヤクルト戦の7回表の攻撃中。6回裏に2番手として登板した松本のキャッチボール相手として、三塁ファウルゾーンで球を受けた。先発マスクの会沢はベンチに待機し、坂倉は一塁で先発出場。捕手登録唯一の控えだった石原も代打出場に備え、ベンチ裏でスタンバイしていた。「キャッチボール相手がいなかったので、僕が行きました。キャッチボールならまだ大丈夫です」。石原のミットを借りて捕手役をこなした二俣は、“捕手”という響きに控えめな笑みを見せた。
捕手としてプロ入りし、1年目は育成選手ながらウエスタン・リーグで先発14試合を含む16試合マスクを被った。打力を評価されて入団2年目に内野手登録され、同年オフには支配下選手登録された。捕手として1軍出場はないものの、プロでの捕手経験は二俣のキャリアとして残る。
「1度、キャッチャーが3人出たときに、石原さん(バッテリーコーチ)から“何かあったら行くかも”と言われて。何かあれば…はい」。
二俣は覚悟が固まっているような、固まっていないような苦笑いを浮かべた。
今季も新井監督は、勝負どころでは「攻めだるま」と化す。打力のある坂倉を一塁で先発起用する事情もあり、3人体制の捕手陣を全員使い切った試合も何度かある。今季から外野手登録となった中村奨もいるが、二俣も候補のひとりだ。
1軍デビューした今季、全員野球を掲げる新井広島に欠かせない1ピースとなった。捕手と中堅以外の6ポジションを守り、4つのポジションで先発起用された。今季もレギュラーを固定せず、日替わり打線で臨む中で、ユーティリティー性の高い二俣の存在は貴重だ。同タイプの上本が離脱した5月6月下旬、首脳陣は「タカシがいない今、二俣は外せない」と重宝した。
上本が復帰してからも、二俣の存在感は薄れない。三塁ファウルゾーンで“捕手”を務めた翌18日は、7回から名手菊池に代わって二塁手として出場。9回にはオスナの中堅へ抜けそうな当たりに追いつくと、振り向きながらのジャンピングスローで刺した。
遊撃レギュラーをつかんだ矢野が若手の成長株として注目される中、新井体制下でさまざまな役割をこなす二俣もまた、大きく成長した若手のひとりだ。【広島担当 前原淳】




