その瞬間、目に強い力が宿った気がした。今季初対戦となった4日の巨人-阪神戦(東京ドーム)。阪神が7-2で勝利を収めた試合後、藤川球児監督(44)が巨人戦への思いについて問われた時だった。

「それはやはり、先人たちの思いがありますから、監督をしている以上はこれはもう当然のことだと思います」

力強いまなざしできっぱりと言い切った。

「伝統の一戦」と呼ばれ、巨人は昨年に球団創設90周年、阪神は今年が90周年の節目の年と長い歴史を紡ぐ。お互いへの意識は、長年受け継がれてきたもの。今年2月3日にこの世を去った、元阪神監督の吉田義男さん(享年91歳)も「巨人を倒すことが最大の宿命」と、並々ならぬライバル心を持っていた。吉田さんの訃報に際し、藤川監督も「吉田義男さんにとっても、非常に強大な相手だった巨人に対して、まず一番考えるというのはあります」と話した。

現役時代、守護神として君臨した藤川監督は、現巨人の阿部慎之助監督(46)と12球団最多の58打席で対戦。打率1割7分、本塁打0の成績だった。20年11月10日の甲子園での引退試合も巨人戦。12球の直球勝負で1イニングを3者凡退に抑えた。ライバルとの関係は、切っても切り離せない。

今年初の伝統の一戦で先手を取った後、藤川監督はこう話した。「ジャイアンツさんも強力な打線と投手陣ですから、本当にどちらが上回るかということはその日を迎えてみなければ分からないですけど、しっかりと立ち向かいたいと思います」。昨季は12勝12敗1分けと五分の戦い。今年もたくさんのドラマが生まれそうだ。【阪神担当=磯綾乃】

2025年4月4日巨人対阪神 開始前円、メンバー表交換する巨人阿部監督(左)と阪神藤川監督
2025年4月4日巨人対阪神 開始前円、メンバー表交換する巨人阿部監督(左)と阪神藤川監督