22回連続0封だ!! 浜松市立が清水桜が丘を下し、06年の創部以来、初の夏3勝で4回戦進出を決めた。左腕エースの井内駿佑(2年)が、被安打6の完封勝利。これで1回戦からコールド勝ちを含めて3試合連続完封とし、無失点を22イニングにまで伸ばした。今日23日の4回戦では、同校の過去最高記録となる8強進出をかけて浜松工と対戦する。

 「主役」のエースには連続無失点イニングの意識はなかった。井内は最後まで表情を緩めず、左腕を振り続けた。打者31人に対して135球を投げ、9回6安打9奪三振の好投。開幕から3試合連続、22イニング目のスコアボードに「0」を並べた。「連続無失点も三振の数も意識はしていない。勝てて良かった」。4回戦進出に貢献したことで、少しだけ表情が緩んだ。

 序盤は決め球のスライダーがさえた。「直球よりも腕を振ることを心がけている」(井内)。最速135キロの直球も威力十分。勝負どころでは、楽天のエース則本を参考にした、縦に割れる切れ味鋭い球で空を切らせた。5回までは8三振を奪い、三塁ベースすら踏ませなかった。

 今夏から1番を背負ったばかり。昨夏の経験もない2年の井内だが、マウンドでは冷静さを失わない。疲労が見え始めた6回以降は一転、打たせて取る投球に変更。緩い変化球を増やし、要所を抑えた。

 4回戦は練習中の金属バット音がお互いに聞こえるほどの“ご近所”浜松工との対戦だ。北浜中の同級生・袴田ら知人も多い。井内は「次も自分の持ち味を出して、絶対に抑えたい」。06年の創部から10年。先輩たちが届かなかった8強へ、「0」更新を続ける。【前田和哉】